こんにちは。かどおか歯科医院院長の角岡秀昭です。
2016年10月に歯科医師となって33年、歯科医院を開業して30年が経ちました。

開業の当時はまだバブルが始まった頃で土地の値段はうなぎ上り、とても景気がよく日経平均株価も2万円台、飲み屋のママさんは毎日パーマをかけ、街に出ると帰りのタクシーも捕まらないといった時代でした。
歯科業界も新しい技術がどんどんと登場しました。私も東京や大阪まで毎週のように高額な講習会に通い、技術力向上に没頭しておりました。スタッフ教育、自己啓発のセミナーも多く、医院の組織力向上のために多くのお金をつぎ込んだものでした。

開業して33年経ちましたが、日本経済、歯科業界を取り巻く状況は一変しています。
2025年には日本の人口減少と超高齢社会を迎え、国民の3人に1人が65歳以上、 5人に1人が75歳以上という状況が訪れます。
また、生産年齢人口の減少が起こってきており、介護や医療分野における若手人口はもうすでに激減してきています。歯科業界でも新しく衛生士になる人が年々減少してきており、将来は外国の若手の衛生士や助手を雇用する時代が来るかもしれません。
しかし、歯科医師数は当分減らず、歯科医院数はこのままでいくとコンビ二の2倍以上になることは必至なのです。

これからの歯科医院は、ニーズの全てに対応できる技術力と専門性が必要になってきます。
国も超赤字の医療費を介護分野にシフトさせており、歯科でも被せ物は保険治療ではできなくなるかもしれません。歯科技工の分野も金属に代わるガラス、ジルコニアなどの被せ物をCAD/CAMなどのコンピューターで作製する治療が進み、もうすでに改良され皆様の口腔内に入ってるものもありますが、将来は金属が口腔内から消えいくでしょう。

歯のない部分では、金属を使わない義歯・インプラント・歯の移植、虫歯にはコンポジットレジン・ジルコニア・ガラス材料などの機能的で審美的な保険外診療が増えていきます。
矯正の分野においても、小学生からワイヤーを使わない成長発育装置で顎骨の成長のコントロールをすることによって、ワイヤー矯正の必要性がなくなります。そのことで将来顎が痛い、カクカクする、口が開かないといった顎関節症を予防することが出来るのです。

超高齢化時代になるにつれ、「ピンピンころりで死にたい」「死ぬまで自分の歯で食べたい」というお年寄りの声をよく聞くようになりました。
これからは「痛くなって歯医者に行こう」ではなく、歯や歯茎が不具合になる前にしっかりと歯の治療・メインテナンスをしていき、歯の数を維持し、少々健康を害しても健全な食生活が営めるような生き方をしたいものですね。

これからは、身体とお口の健康は自分で守っていく時代です。
これからお互い頑張っていきましょう。

歯科医師の角岡です。私の目指す歯科治療は、歯科医師と患者さんがお互いに納得できるお口の環境を保つことです。

歯科医師が患者さんに対して、利益のためと一方的に治療を行うパターナリズムの時代から、患者さんの同意を得ながら寄り添い、協力し合って治療を行うマターナリズムの時代になってきました。

当院でも勝手に治療することなく、様々な選択肢をご提案し、安心して治療していただけるよう心がけておりますので、お気軽にご相談ください。